アメリカ大統領選挙ではドナルド・トランプ氏が勝利しました。
下馬評を覆した格好となりましたが、目下、我が国の国会で議論されている
TPPの行方はもちろん、これからの安全保障や外交政策全般に
どのような影響があるのかが注目されます。
個人的には、これまでメディアが報じてきた悲観的な議論には
懐疑的な考えでいます。
彼が合衆国のトップに立つことによって、メキシコとの間に
本当に壁ができるとは思わないし、ましてや唯一の被爆国である日本が
今後性急に核武装論に傾斜することもないだろうと…。
当選直後のスピーチは勝利宣言というよりも
極めて常識的な「軌道修正」だったように感じました。
アメリカ大統領選一色だった11月9日の報道でしたが、
国内のニュースではやはり、8日の博多駅前の道路陥没事故の
続報が大きく取り上げられていました。
私自身、8日にブログを更新したところですが、9日になって
友人たちからいくつか問合せがありました。
この件はやはり関心が高いようですので事故の現場の状況について
分かっていることをご報告したいと思います。
報道等でご承知のことかもしれませんが、8日早朝から発生した陥没については
9日には本格的な埋め戻し作業に着手し、当局は14日には
元通りに通行ができるよう復旧したいとの方針を示しました。
正直な感想として、私が当初想像していたよりもずっと早い対応です。
関係者の努力はもちろんですが、これは多くの民間事業者さんの
協力があってのことと思います。
夜を徹してのご尽力に心より敬意を表したいと思います。
ところで、事故の翌日である9日に私個人が最も尋ねられたのは、
「一体なんであんな大きな穴があくの?」ということでした。
この点については、当局から根掘り葉掘り説明を聞いたわけではありませんが
(このタイミングで議員は関係者の時間をあまり取るべきではないから、という趣旨です)
過去に小規模な道路陥没の問題について議会質問をした(※内容はここをクリック)経験から
恐らくこうだろうと思う点があったので、以下のようにお答えしました。
上の写真は、陥没した箇所とは反対側のトンネルの様子です。
見ての通り、現場付近のトンネルは現状でもかなりの長さになっています。
陥没が生じたのは、地下25メートル近辺を底とする地下鉄のトンネルの
一部が破損したことによって、巨大な空洞の中にアスファルトの下の土砂が
一気に吸い込まれたためだと想像されます。
気になるのは、博多駅側の工事現場です。
上の写真に足場が写っていますが、これは七隈線の新博多駅舎そのものの
建築工事です。トンネルの中の現在の様子は知る由もありませんが
この辺りには、もしかすると陥没の際の土砂が迫っているのではないかと思います。
一方、足場のさらに奥では、現在の地下鉄博多駅よりも深い場所に
新駅舎を建設するためのアンダーピニング工法によって、
現地下鉄駅舎や博多駅ビルの躯体の下部に支柱をあてる工事が進んでいました。
7日の視察の段階で、当局の関係者から繰り返し説明を受けたことですが
これら既存の地下インフラに対しては1ミリの単位でも
歪ませたりしてはいけないという緊張感の中で
工事は進められていました。
今回の事故でトンネルの中に吸い込まれた土砂の量は
9日に示された当局の推定では7000立方メートル程度のようなので
素人である私の感覚ではこの辺りまでは届かないような気がするのですが、
工事関係者は気が気でない思いをしているのではないでしょうか…。
とにもかくにも、トンネル内の被害が最小限にとどまっていることを祈りたいと思います。
この時間も、事故現場では寝食を惜しんで、多くの関係者、民間事業者が
復旧のため奮闘頂いていることでしょう。
今となっては私たちも報道を通じてしか現場の様子を伺い知ることはできませんが、
1分1秒でも早くライフラインを復旧させようという気迫が
9日のさまざまなメディア報道を通じて伝わってきました。
この点については、心底から脱帽させられる気持ちがしています。