今日の雨で、そこら中の金木犀(キンモクセイ)が散ってしまったことを誠に遺憾に思っています、調たかしです。
今回は保護司の仕事を通じて感じたことを書き連ねたいと思います。
犯罪や非行により刑務所や少年院などの矯正施設に入った人たちが仮釈放・仮退院をする際に「保護観察」の期間が設定されますが、保護司は主に保護観察期間において、仮出所・仮退院者の更生や社会復帰の支援に取り組みます。身分は非常勤の国家公務員です。
私は平成30年3月付で保護司に任ぜられました。そして今夜は間もなく保護観察の期間を満了して私の手を離れる青年と、お別れの夕餉を共にしました。
決して恵まれているとは言えない家庭環境に育ったその青年は、年端もいかぬうちに覚えたギャンブルで身を持ち崩し、遊興費欲しさの過ちから少年院へ。私の受け持ちになった今回の仮退院以降、何度も面談や電話をし、ときには一緒に食事をし、様々な悩みの相談を受けてきました。短い間でしたが、本当に色々なことがありました。年長者に対する礼儀はしっかりしていて、根は本当にいい子なのに、自己肯定感が低く意思が弱い。こちらがさじを投げてしまいたくなる出来事もありました。
でも、仕事で得た給料から今月初めて実家に仕送りをしたことを、誇るでもなく報告してくれた今日の彼の姿を目にして、これからは自らの意思だけを支えに、折れず曲がらず人生を歩んでくれるだろうと確信することができました。ちなみに私は学生時代もサラリーマン時代の独身時も、ずっと甘えた実家暮らしだったので、いまだかつて実家に仕送りなるものをしたことがありません…。もはや何も偉そうなことは言えないのです。
今夜はこれからの彼の人生の展望について、あれこれ語りながら、私の行きつけのお店でラーメンをすすりました。「みんなが誰かの役に立ちたいと思って頑張っていれば、世の中悪くはならないんだから」などと、青年に最後の講釈を垂れながら、何とも知れない寂しさを感じました。
さて、「会見がまるでポエムだ」という批判をメディアから受けている大臣がいると聞いたことがあるのですが、よくよく見るとポエムのように読めなくもない今日の私の記事もまた批判の対象になるのでしょうか…。青年の行手に幸あれ!