緊急事態宣言の発出から昨日までは、昨日のブログでもご報告した会派提言の取りまとめ作業などのため、昼間の時間を市役所で過ごしていたのですが、昨夜から今日の夕方にかけては、地元商店会をはじめ城南区内の飲食店を訪ねて回りました。
というのも、福岡県内の時短営業の要請が始まるのが今日からとなっているため。飲食店経営の方々に、「酒類の提供が午後7時まで」であること、「8時には店内飲食を終了しなければならない(テイクアウト等の営業は可)」ことと併せて、福岡市のテイクアウト支援の内容(割引サービスつきのテイクアウト実施で、市から1店舗あたり20万円を一回支給)をご紹介してまわりました。
直接お店の方とお話をできた分だけで30店舗を回ったのですが、1割のお店が「今日から2月7日までは休みます」と完全休業の構え。また1割の方が「夜は開けない」または「テイクアウト営業のみ」などの部分営業にするとのこと。「とりあえず開けるけど、客足を見てから」という方もおられました。
とあるお店では、ご主人がこんなことを仰りました。
「『あんたのとこ、1日6万円なの?いいねえ』と、周りの方から結構言われるんですよ」。困惑の表情を浮かべるご主人。懸念していた通りのことが、実際に起きているようです。みんなが口に出す訳ではないけども、時短営業が始まるその日から、世の中には不公平感が漂い始めているのを感じました。
閉店時間を早めるほかは通常営業を続けるお店でも、「支援は本当に助かる。けれども、本当にいいのかねえ…」と困惑される様子が見られました。飲食店は多くが表通りなど目立つ場所にあります。閉めればどうしても目立ってしまう。かと言って、開けてみても実質的には営業にならない。大変気の毒な苦悩だと思います。
今回の緊急事態宣言は、コロナウイルスがほとんど未知のものであった昨年の春先とは違い、食事を共にする際の感染リスクが高いという専門家の判断に沿って、とにかく外での飲食を抑制することに的を絞っていることから、必然、時間短縮などの規制を受けるのは飲食店であり、だからこそ時短営業に対して協力金が支払われます。このことは、決しておかしなことではありません。
しかしながら、長引くコロナ禍で苦しんでいる他の業種の方々が何を感じるのか、どう思うのか。支援のバランスを取るという視点が、致命的に欠けているように思うのです。
18日からの通常国会では、まずコロナ対策関連の補正予算が議論されます。そして、来年度予算におけるコロナ対策の中身も、次第に明らかになっていくかと思います。その動向をしっかりと注視し、国が何をやろうとしていて、また何をやろうとしないのかを的確に捉え、支援のアンバランスを解消するための独自の施策を、福岡市が打ち出すべきだと考えています。
大事なのは、「みんなで頑張ろう」という機運が高まるような施策を打ち出すこと。二度目の緊急事態宣言を契機に垂れ込め始めた、実に嫌なムードを払拭せずにこのまま放置しておけば、問題は民と民の間の不公平感だけにとどまらず、行政に対する市民の信頼を損なうことにつながりかねない。そして、私自身が政権与党に連なる会派所属の地方議員でもあるからこそ思うことなのですが、このような事態を放置すれば、政権に対する国民の不信を更に広げてしまうことにつながるのではないかと、心から危惧をしています。
その他の業種に対する支援を打ち出し、バランスを取らなければなりません。そして、目の前の問題を座して見ているわけにはいかない。役所の中でも地域でも、とにかく動き回って、微力を尽くしたいと思います。