4月の統一地方選挙から早いもので2ヶ月が過ぎました。改選後、初となる定例会が6月16日から27日までの日程で開かれており、私は4期目の任期で最初の一般質問に立ちました。今回は、農地に対する固定資産税の課税、地下鉄七隈線の混雑と乗車マナー、教職員の採用と教育の質の確保の3つのテーマで質問しました。きょうはこのうち2つについて、福岡市側の答弁内容も含めてご報告します。

【農地に対する固定資産税の課税】

 昨年12月の議会では、住宅地の急激な値上がりに伴う固定資産税額の上昇の問題を取り上げましたが、今回は農地でも同じような問題が起きていることを指摘しました。課税対象となる市内の農地は「市街化調整区域」にあるものと「市街化区域」にあるものの2つに分けられますが、都心から離れた市街化調整区域の田んぼでは、過去7年で評価額や固定資産税が全く変動していない一方で、市街化区域では1㎡あたりの平均評価額が3838円、12パーセントも上昇し、平均固定資産税額も1㎡あたり120円から144円、率にすると20パーセントも上昇しました。

 市街化区域にある1000㎡の田んぼを例に取ると、年間平均で14万4千円の課税がなされます。1000㎡の田んぼで想定できる米の収量は年間500キログラム、昨年度の米の相対取引価格が60キロあたり1万4千円弱なので、単純に計算をすると1000㎡の田んぼから得られる収益は年間で約11万7千円程度。福岡市の市街化区域では、米を作ったところで固定資産税を払うだけでも赤字になる計算です。

 福岡市ではこの7年の間に、市街化区域にある田んぼの約3分の1が姿を消しました。宅地や道路などに転用されたものと見られます。昨年6月の議会では「食料安全保障」の観点で、現存する農地を守ることの重要性を訴えましたが、福岡市の市街化区域の農地に対する固定資産税の課税実態は、農地を守る視点に立てば明らかに過重であり、福岡市は国に対して税制の見直しを求めるべきだと思います。

【地下鉄七隈線の混雑と乗車マナー】

 3月27日に博多駅まで延伸開業した地下鉄七隈線は、朝夕ともに目立って混雑するようになりました。座席に座れないだけでなく、満員の電車に乗れずに見送ったことがあるという声も既に複数聞かれている中で、仮に現在の4両編成を6両編成にした場合(電車の編成は基本的に偶数なのだとか)にかかる経費を尋ねました。以下に、翌23日の読売新聞朝刊の記事を引用します。交通局の答弁によれば、ホーム等の改修に約130億円、車両購入費に120億円など、合わせて約250億円もの巨額の経費がかかるという試算でした。

 6両化は簡単ではないというのが福岡市の立場のようです。ただ、利用者に混雑時を避ける分散乗車(オフピーク乗車)を呼びかけていることについては、ほぼ間違いなく成果が上がらないだろうし、利用者の感情を害する恐れもあるので、あまり言わない方がいいと思っています。一言で車内の混雑と言っても深刻さは人それぞれであり、お年寄りや体の不自由な方からは、「優先席にも座ることができなくなったので、地下鉄に乗ることそのものが難しくなった。どうにかしてほしい」という声も聞かれています。質問では優先席付近の壁や床、シートそのものも含めて、座席を必要とする人たちが座ることができるような分かりやすい表示をすべきことを強く訴えました。