去る3月25日、福岡市議会の平成26年第一回定例会が閉会しました。

2月の補正予算案審議から、平成26年度の予算審議まで
かなり気合を入れて取り組んだ議会でした。
議論された内容の中から特に一点、ご報告したいと思います。

・中央保育園への追加補助金に断固反対しました

2月の補正予算案では、中央保育園の運営法人に対して
3568万円の追加補助金を出す内容が議案として上程されましたが
これに対しては徹頭徹尾、1ミリもブレることなく反対しました。
というのも、市側に見逃せないルール違反があったと判断したからです。

市が支出する補助金にはルールを定めた「要綱」がありますが
従来の保育園の建設費に関する補助金の要綱には追加補助金が出せるような規定は
ありませんでした。ところがその要綱が、今年1月1日付で改められ
市長が特に必要と認める場合に追加補助金が出せる旨の条項が
こっそりと付け加えられていたのです。

あれだけ大きな反響を呼んだ中央保育園の問題なだけに、
当局は要綱を改正するのならばきちんと議会に説明をすべきでした。

ところが、そのことを追及すると「要綱は変えなくても補助金は出せた」などと
強弁を始める始末。私は耳を疑って、委員会審議で何度も答弁の修正を求めたのですが
残念ながら最後まで当局の姿勢は変わりませんでした。

補助金の適正な執行については、平成16年の有識者会議、
平成23年の包括外部監査などの機会に、「要綱に沿って公平・公正に」という見解が示され
当局もそうした市民の意見に沿った「補助金ガイドライン」を策定したばかりです。
これに照らせば、「ルール破りをしても構わない」という答弁が出てくるはずはないのです。

そもそも今回の追加補助金は、保護者や保育士さんたちが、現在の移転用地では
300人の子どもたちの安全が確保できないとして移転計画そのものに強硬に反対し、
予定の期日に工事を始められなかったことから、追加でかかった工事費用のほとんどを
市が負担するという内容でした。

しかし、過去にも市からの補助金が結果として足らなかった保育所新設工事はあったと思います。
それらの保育所の運営法人は、要綱に追加補助金の規定はなかったのだから、ご自分たちで
負担をされたと考えられます。

なんで中央保育園だけが救済されるのか、公平性の観点から説明がつきません。

こうしたことから、前代未聞の追加補助金には反対をしました。
結果としては多数決で圧倒的に負けたので追加補助金は支出されましたが…

保育園を1か所新設するとして、運営法人が負担する建設費は全体の4分の1です。
市の負担分は12分の1で、あとは国の基金などが充てられます。
こうした負担割合からすれば、今回、追加補助金として支出する3568万円という公金は
200人規模くらいの保育所が1か所、十分に新設できるお金でした。

それが、たかだか追加の工事費用に使われるというのですから
新たな待機児童対策になるわけでもなく、政策効果の観点からは全くムダな支出です。
中央保育園の移転問題は、高島市長が主導して勧めてきました。
私は市長自身の失政のツケが、今回、税金を使って穴埋めされたと判断しています。

一方、議会での審議では、市長をはじめ当局の誰一人として、頭を下げることがありませんでした。
この点は、いずれはっきりさせて頂かなければならないと思っています。