昨日に続いて、議会質問の報告をします。
3月8日に登壇した際には、近い将来に介護を支える人材が不足することを見越して
外国人材の活用を真剣に検討するよう、促す質問をしました。
2025年問題という言葉をよく耳にするようになりましたが
これは団塊の世代の方々が後期高齢者となる頃をさしています。
当然のように、今よりも社会保障費が増大し、介護需要が高まることになりますが
国の推計では全国で38万人の介護人材不足が見込まれており、
福岡市でも2000人が不足する見通しです。
しかし、介護福祉士を養成する専門学校等の定員充足率は
平成29年で45.7パーセントにとどまり、半分以上が空いています。
介護の仕事は我が国の若い世代には選ばれにくくなっているのが現状です。
一方で、介護福祉士を目指して専門学校等に入学した外国人留学生は
一昨年から去年にかけて倍増しました。今後もさらに増える見通しです。
その原因となったのが、昨年9月に導入された、いわゆる「介護ビザ」です。
日本の就労ビザは、日系人に対するものなどの特殊な例を除けば
教育、研究など、限られた分野のスペシャリストにしか公布されません。
これに、介護福祉士の資格を取得した者が追加されたため、
特に首都圏では専門学校に進学する外国人留学生が増え始めています。
しかしながら、福岡ではあまり顕著な動きは見られていません。
安心の介護サービスを維持していくことは、誰の将来にとっても切実な課題です。
私はここ数年でコンビニエンスストアが様変わりをしたように
介護の現場で多くの外国人材が活躍する時代が来ると考えています。
福岡市は介護の分野での外国人材の活用について、昨年3月に出した
福岡市健康先進都市戦略で初めて言及しました。しかしながら、
具体的に思い描いている施策は、今現在の介護の現場の人手不足感と照らしても
踏み込みが足りていません。
質問では、福岡市内の介護福祉士養成機関(専門学校や短大)が外国人留学生を
積極的に受け入れるための環境整備など、行政にできる積極対応を取るよう要望しました。
もちろん、介護の現場で働く方々の処遇の改善は忘れてはならない観点です。
ただ、優秀な外国人材を首都圏との競争で取り負けないということについては
今すぐに取り組まなければならない話だと思っています。
福岡市には、日本に留学する外国人の大半が最初に入学する日本語学校が数多くあります。
常に進路未定の外国人留学生がたくさんいるので、ちょっとした後押しがあれば
優秀な介護人材の確保が可能だと思います。
このような考えに対してはご批判を頂くかもしれません。
私自身、移民政策には否定的な見解をもっていますが、分野によっては
現実路線を取らなければ、我が国の危機的な人手不足の局面は
乗り切れないのではないでしょうか。
歯止めのかからない少子化の結果としてやってきた
生産年齢人口の減少は、まさに国難というほかありません。
次回は、学校教育におけるICT教育環境の推進について報告します。