3日連続の議会質問の報告となりました。

きょうは、福岡市立の小中学校におけるICT教育の環境整備の
推進を求めた質問についてです。

いま、パソコンのキーボードがまともに打てない新社会人や大学生が
目立ち始めています。これはスマートフォンなどタブレット端末の
普及に伴って、若い世代の人たちがパソコンに触れる機会が
激減したことに端を発しています。由々しい問題だと思います。

キーボード入力は、かなり多くの職場において必須の能力になっています。
また、特にICTの分野で活躍する人材になるためには
タイピングによってプログラミングができることは前提になります。

アメリカの公教育に目を向けると、公立小学校の低学年から
キーボードを見ずに入力する「ブラインドタッチ」を教えるなど
パソコンに触れる機会が確保されているので、タブレット端末の
普及によるパソコン離れは問題になっていないようです。

この現状を放置することは、我が国の子どもたちにとって将来的な
職業選択の可能性を狭めてしまうことにもつながるし、何といっても
ICTの技術における我が国の国際的な競争力が低下します。

文部科学省は、平成26年から平成29年にかけて
毎年1678億円を地方財政措置し、①教育用パソコン1台あたりの
児童生徒数を3.6人以下にすること②全ての普通教室に電子黒板を
配置すること、などを各自治体に促して来ました。

しかし、福岡市では平成25年と26年以降の予算措置は大した変化はなく
教育用パソコン1台あたりの児童生徒数は14.5人、電子黒板の配置率は
16.1パーセントと、国の基準にはるかに及ばない状況となっています。

平成32年から実施される新学習指導要領では、小学校低学年から
発達段階に応じたプログラミング教育が導入されることになります。
しかし、今のような設備で十分な指導ができるとは思えません。
今回の質問では、ICT教育の環境整備に今後しっかりと取り組んで
新たな学校での指導に備えることを求め、教育委員会から前向きな答弁を得ました。

教育用パソコン1台あたりの児童生徒数では、同じ政令市の北九州市が6人を切っています。
福岡市は県内の中小の市町村に比べても大きく後れを取っているのが現状です。
福岡市はゲーム産業などクリエイティブ分野の育成に力を入れていますが
こうした分野で活躍できる人材を地元でしっかりと育てられるような
公教育の姿を描かなければなりません。

全市的には、児童・生徒数が多すぎる加大規模校の問題など、喫緊の施設整備や改修に
割かなければならない予算も多いため、限られた予算の中でどこまでやれるのか、非常に
難儀な課題だと思いますが、教育委員会の今後の取り組みに期待しつつ、
議会の側からしっかりと応援しなければと思っています。