去る6月17日、久しぶりの一般質問に登壇しました。

質問の第一はコロナ禍に関してです。
新型コロナウイルス感染症の第2波が万が一、到来した場合に備え、
福岡市における感染第1波の患者受け入れで大きな役割を果たした
市民病院を軸にしながら、感染症への対応力を高めることを求めました。

質問の第二は幼稚園の飛び地の駐車場に対する課税についてです。
市内の住宅街のある幼稚園では園児が登園する際の安全確保のため
園地から離れた場所に駐車場を確保し、保護者が園児の送り迎えを
するために使用されています。こうした幼稚園の「飛び地」の駐車場について
福岡市では市税である固定資産税や都市計画税の課税対象としています。
一方で、保育園が同じように園児の送迎用に飛び地の駐車場を確保している場合は
非課税の扱いになっています。

これは、固定資産税や都市計画税の非課税の基準を示した地方税法の条文が
幼稚園と保育園で異なっていて、幼稚園に関しては「直接教育の用に供する」固定資産と
されているのに対して、保育園については「保育の用に供する」と書かれているからで、
「直接」という言葉の有無で福岡市が対応を分けているのです。

一方で、福岡県では幼稚園の「飛び地」の駐車場についても
県税である不動産取得税を非課税扱いとしています。同じ土地をめぐって県と市で
課税に関する考え方が分かれているのが現状です。
幼稚園でも保育園でも、園児が安全に登園できるための措置はどちらも重要で
飛び地の駐車場への課税で対応が分かれるのは市民の理解が得られません。
質問では幼稚園の飛び地の駐車場についての課税の方針の見直しを求め、
福岡市から前向きな答弁を得ました。

来年度からは幼稚園の飛び地の駐車場にかかる固定資産税や都市計画税は
非課税扱いになる見通しです。

質問の第三は一番長い時間を割いたのですが
中体連や中文連の大会等の中止に対する代替措置についてです。
5月26日、市教委は中体連・中文連の発表会を中止することを
各学校に通知しました。その前日の5月25日に、本市ではやっと
6月1日から全校登校が開始されることや部活動が順次
再開されていくことが発表されたばかりであり、
この通知は多くの部活動生、特に最上級生である中3の子どもたちに
大きなショックを与えるものとなりました。

直後から、中学校3年生の生徒の保護者の方々や、私自身が中学生のころに
お世話になった先生方から相次いでご連絡を頂き、「子どもが泣き崩れている」
「何とかしてやれないか」という声を預かりました。所属会派に相談をしたところ
自由民主党福岡市議団として6月議会に向けて代替措置を求める質問をすることとなり
その質問を私が担当しました。

質問ではまず運動部に関して、①対外試合をすることの可否、②保護者などが中心になって
区大会の代替として、また3年生の引退試合となる任意のカップ戦を開催することの可否について
教育委員会の見解を問い、感染防止等の配慮を条件に「差支えない」との答弁を得ました。

これをもとに、スポーツ振興を所管する市民局に、①カップ戦の主催者から求めがあれば
「区長杯」名目で賞状を出すなどの後押しや②市営の体育館やグラウンドの使用料が
かからないような支援について要望し、いずれも前向きな答弁を得ました。

一方で、競技によっては身体の接触が多くどうしても対外試合ができないものがあります。
こうした競技で頑張ってきた子どもたちに対しては、せめてもの気持ちの切り替えに
つながるような引退式を企画することなども提案し、教育委員会からは「各学校での引退式や
引継ぎ式などの取り組みを支援する」旨の答弁を得ました。

次に、文化系の部活動への対応ですが、現在も引き続き歌うことや演奏することに対して
敏感になる情勢が続いており、吹奏楽や演劇などの演奏会・発表会が開催しにくい状況になっています。
sya質問では教育委員会に、一律にダメということにするのではなくて、
広い会場を借りるとか、パートごとの演奏をするなどの配慮をすれば、
節目となる演奏会や発表会ができるようにしてほしいと要望しました。
そのうえで、ウェブを通じた演奏や演技の発表などについて、教育委員会として
取りうる手立てがないかを質問しました。

これに対して教育委員会は、感染防止に努めて動画を撮影し、生徒のプライバシーに配慮した上で
市教委が運営するつながるクラウドを通じて公開する用意があることことを明らかにしました。
この答弁は文科系の部活生にとっては新しい情報でしたので、質問の翌日の読売新聞朝刊と、
翌々日の朝日新聞朝刊で紹介されていました。

<写真は6月19日付朝日新聞朝刊の記事です>
 

 

 

 

 

 

 

この質問の準備のために、教育委員会や市民局とは何度も意見交換をさせて頂きてきましたが
「とにかく最上級生たちのために何とかしてあげたい」という思いで知恵を出し合ったというのが実情で
関係職員の真摯な姿勢には心から敬意を表したいと思います。
そして、質問の中でも述べたのですが、いまは残念な思いでいっぱいの子どもたちにも、
学校の先生方をはじめ、市役所で部活動やスポーツの振興に関わる仕事をしている多くの大人たちが
みんなの心情に寄り添って一生懸命に検討したんだということが、伝わってくれればと思います。