本日午前に開かれた市長会見で、髙島市長は、緊急事態宣言が延長されたことを受けて「時短要請」の対象(飲食店)となっていない事業者を支援する追加支援策を発表しました。内容としては、昨年との比較で売上が5割以上落ち込んでいることを要件に、一法人、または一個人事業主あたり、それぞれ15万円、10万円を一回限り給付するというものです。
ただし、国が既に支援の方針を示している、飲食店への納入事業者、タクシー事業者など、「時短要請や人の移動の制限によって影響を受ける事業者への支援(法人60万円、個人30万円。昨日の首相会見で40万円、20万円から積み増し表明)の対象となる事業者」については、売上が3割から5割落ち込んでいることを要件とするなど、一定の緩和が図られるとのことです。
会見の段階で市長からは、今紹介した福岡市の独自支援について、「国の制度設計が固まってからの取り組み」「申請の受け付けは3月になる」との見通しが示されたようです。一方で、自由民主党福岡市議団では、党所属の各国会議員国を通じて、国の制度設計についての情報収集にあたっていましたが、きょうの午後、福岡3区選出の古賀あつし代議士から、国の支援を巡る党内議論の最新の状況について一報がありました。党に対して、国の支援の所管省庁は「時短要請や人の移動の制限によって影響を受ける事業者の範囲」について、「ほとんどすべての事業者が該当する」旨の説明をしているとのこと。これまで繰り返し報道されてきた支援範囲の印象よりも、かなり大きく広がる方向性であり、歓迎すべき変更であると感じました。また党本部において、国・政府による事業者支援の範囲を少しでも広げる努力が重ねられていることを確認でき、私自身も党の地方組織の一員として、ほんの少しだけ胸のすくような思いがしました。
この情報は、会派の上層部から市の担当部署へと伝達されたのですが、多くの事業者が苦しんでいるいま、スピードが問われる局面では特に、国政の最新情報を的確かつ迅速に市行政へと伝達するということも、私たち政党所属の市議会議員の大事な仕事の一つです。国・県・市の各級議員の連携の重要性は、まさにこうした局面において強く実感されます。
話が少し脱線しましたが、情報を総合すると、1⃣福岡市は飲食店以外への独自の支援について、「国の支援の範囲内の事業者に対して、売上の3割減~5割減を要件に支援する」としていて、2⃣自民党内の最新の議論では、「国の支援の範囲に、ほとんど全ての事業者が入る」という説明が所管省庁からあっている、ということです。現段階では市の支援の範囲について、「例えば〇〇業や△△業」といったように、明確な例示をすることはできません。具体的な申請開始時期、支給時期についても同様です。ある意味で、事業者の方々が最も関心のある情報についてお伝えすることができず、大変心苦しく思っています。ただし、「国の動向次第では、福岡市の支援もかなり広範囲の事業者に行き渡る可能性がある」ということは言えるだろうと思っています。心ばかりの金額ではありますが、少しでも幅広い事業者の皆さんの励みになることを期待しながら、詳細を待ちたいと思います。
なお、上記の事業者支援の財源としては、先月、自由民主党福岡市議団が福岡市独自のコロナ対策事業予算の執行状況の精査を求めた結果明らかになった、30億円の「余り予算」のうち28億円があてられます。差額の2億円は、多くの事業者から好評を得ている「テレワーク支援」の追加分として活用されるとのことです。時短要請以外の事業者の支援については、会派の所属議員にも各方面、各事業所から切実な要望が寄せられていました。特に、余り予算があることが判明して以降は、市に対して繰り返し実現を要請してきた経緯もあり、提言活動に沿った一定の対応が取られたことについては了とすべきだと考えています。
また、その他の支援ですが、漁業生産者支援の分野では、会派から燃料代などコスト面での支援を強く求めていたのに対して、市が新たに「漁船保険の保険料額の半額を支給する」ことが明らかになりました。また、学校の卒業式にあたって花を贈る事業を企画して、市内の花き生産者を支援するといった新たな取り組みも発表されました。コロナ禍でずっと窮屈な思いをしている子どもたちの心に、ちょっとした彩りをという観点にもつながりますので、「なるほど!」と思わず膝を打ちました。20の政令市のうち、「局級」の組織で農林水産局を持つのは、福岡市、熊本市、新潟市の3市だけです(新潟は部制なので局ではありませんが)。生産者に対する今回の補正は決して派手な中身ではないし、生産者の置かれた苦境に十分見合うと胸を張れるほどではありませんが、限られた財源の中で、農林水産局を持つ政令市として、せめてもの矜持を示したと評価すべきではないかと思います。
更には、「感染症対応シティ促進事業」という見出しになっていたようですが、来店型の施設を幅広くとらえて、感染拡大の防止に役立つ物品の導入経費、工事の経費等を40万円を上限に支援(補助率3分の2)する施策などは、時宜を得たものと言うべきではないでしょうか。民間の設備投資意欲が喚起されること、併せて感染のリスクを抑えた営業形態があちこちで確立されることにつながればと、心から期待するものです。
この他にも、会派からの第4次提言も含めて強く要望をしていた、学生への特別給付金(市内の学校に通う大学・短大・専門学校生のうち、非課税世帯の者若者に5万円を支給)についても、予算付けがなされていました。これについては、特に高い評価に値すると考えています。若者は福岡市のまちの活力の源泉であり、彼らが学びを諦めることなく、前向きに頑張ってもらうためにも、特に家庭の状況が苦しい学生の後押しをすることは、すなわち我が国の未来への投資に他ならないと信じます。
きょうの発表については、2月17日開会予定の2月議会において、補正予算案として計上される新たな事業のうち、特に事業者や個人への給付型の支援に関するものだけをピックアップしたものと受け止めています。こうした給付以外にも、雇用情勢の更なる悪化への備え、「コロナ離職」「就職内定取り消し」などの雇用問題に直面した人たちへの支援、そして、生活困窮に陥ったひとり親世帯への何らかの支援をはじめ、来年度の予算でしっかり腰を据えて取り組んでもらいたい施策についても、引き続き実現を訴えていきたいと思っています。