昨日の更新でも触れましたが、国の三次補正(1月28日成立)で決定した支援と、緊急事態宣言の延長を受けて福岡市が打ち出した独自支援策(2月3日に公表)の一部に重なりがある件について、昨日の更新の後に改めて精査をし、今朝から必要と思われる対応を取りましたので、ご報告をしたいと思います。
まずは、これまでに把握できた情報をもとに、両施策の内容を紹介します。
●国の「持続化補助金」のうち、市の施策と重なる「低感染リスク型ビジネス枠」
【ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取り組みを支援。補助金総額の4分の1(最大25万円)を感染防止対策費(消毒液購入費、換気設備導入費等)に充てることができる。更に、緊急事態宣言のエリアに含まれる本市の事業者については、1~3月の売上が前年比または前々年比で3割以上減少している場合、感染防止対策費が補助金総額の2分の1(最大50万円)にまで引き上げられる特例がある。】
●福岡市の「感染症対応シティ促進事業」
【市民に商品販売やサービス提供を行う従来型の施設等を対象に、感染症対策強化の取り組みのための物品・サービス導入経費や工事経費の3分の2、60万円を上限に支援(うち、物品・サービス導入経費の上限は20万円)】
これらを見比べたとき、国の持続化補助金は補助上限が100万円、補助率は4分の3、売上が3割減以上であれば物品購入が50万円まで認められる(売上要件に該当しなければ25万円まで)のに対し、市の事業は補助上限が60万円、補助率が3分の2、物品購入が20万円までとなり、国の施策の方が全てにおいて有利であることが分かります。また、国の施策は事業者全般を対象にしているのに対して、市の施策は「来店型の店舗」となっています。こう見ると、国の支援の中にスッポリと入ってしまうというのがイメージできるかと思います。
問題になるケースを、お店に換気設備を導入する事業者を例に説明しますが、例えば120万円をかけて新たに設備を購入し取り付け工事をした場合、国の支援にも市の支援にも該当することになると思います。この事業者は国から120万円の4分の3にあたる90万円を、市からは120万円の3分の2にあたる80万円を、合わせると170万円を受け取ることができるようになる?さすがに「手厚すぎる」と言わなければなりません。
当初の発表では、市はこの事業に17億円を計上する考えを示していました。しかし、補助率や補助金額のいずれも国の方が有利であること、補助対象の事業者の幅も広い状況を考えると、福岡市としてはこの分野の支援は国に任せて、国の手が届かない別の事業に振り分ける判断をするのが、あるべき対応だろうと思います。
17日に2月議会が開会しますので、議案が議員に送付されるのは、1週間前の10日です。リミットまであと2日という現状でどこまでのことを役所ができるのか…。きょうは会派の上層部から市当局に対し、17億円を全く別事業に振り替えることを視野に入れた対応を提言しています。私自身も会派の政策担当として、できる限りの動きをしています。
会派としての4次に渡る提言も、まだ予算付けがなされていない施策があります。市議会の各会派からの提言も、急いで見直してもらえば必ず光る政策があるはずです。もちろん、市長の手元にも、お金がなくて予算化できなかった他の政策があると思います。
議案上程の2日前から、大幅な組替えをやった事例などきっと過去にはないはずです。ですが、目下の事態は戦後最大の国難と言われる大禍。前例にとらわれず、ここで頑張れ、福岡市役所!福岡市の2月補正予算は、国の3次補正による臨時交付金約44億円を、1円も残さずに使い切り、市民や事業者に届けること、感染拡大防止の取り組みを強化することなどに、余すことなくつなげていく必要があります。関係職員の苦労は察します。察するに余ります。でもここ一番の頑張りを見せて欲しいと、祈るような気持ちで書いている今日の更新です。
頑張れ!福岡市役所、頑張れ!