福岡県など10都府県に発出されている緊急事態宣言について、9都府県(620日までとされている沖縄県を除く)で531日の期限が延長される見通しが報じられました。

本当に心苦しく、言葉がありません。

去年の春先や今年の1月の緊急事態宣言と同じように、私は今回も地元商店街をはじめとする飲食店の皆さんに、福岡市のテイクアウト支援などのお知らせに回っているのですが、過去2回は「苦しいけど頑張りましょう!」とこちらから激励の声をかけさせて頂いていたのに、今回は福岡市が何度も同じことを繰り返していることを、まずはお詫びしています。

個人の率直な心情を吐露するならば、「どのツラ下げて3度も同じことを告知して回っているのか」と思います。

私が訪ねた限りの全てのお店が「20時まで店内飲食の営業をしても構わないが、酒は出すな」という行政からの要請に協力して下さっています。聞かれるのは「酒を出すなとは、店を閉めろと言われているのと同じだ」という声が圧倒的です。

昨日訪ねた、ある家族経営のお店は、酒類を一切出さずに20時までの店内飲食とテイクアウトの営業をされています。

女将さん曰く、「若いお客さんに『お酒は出せませんからね』と言うと『えー?そうなんですか?』と返ってくる。緊急事態宣言の中身が全然伝わってないよ」と。

また、あるお店では「深夜に酔った若者がワーワー言いながら表を歩きよる。どこで飲んでいたのかは知らんが」との声。私自身も何度か同じような光景を見ているだけに、ハッと思い当たりました。

こんな状況が変わらないままに宣言の延長をして、果たして効果があるのだろうかと思います。

本稿ではあえて、お店の方から証言のあった「若者の行動」の疑問点について言及をしていますが、「今回の流行が若者の行動とどの程度関係があるのか?」と問われると、明確な論拠を持ち合わせません。

ただ、制約を強いられているお店の方々が、ご自分たちの払っておられる犠牲と世の中の行動の変容を見比べながら、どのように感じておられるのかを、私は慮って(おもんばかって)います。

福岡市から、市民への強いメッセージの必要性を痛感します。先日も書きましたが、コンビニやスーパーも含めた小売店に対して、酒類の販売を一定の時間以降は自粛するよう、要請すべきです。

特定の業種に痛みを強いることになりますが、「夜は飲み歩かないで頂きたい」「できるだけ自宅にいて頂きたい」というメッセージをはっきりと伝えるためにも、目に見えてわかる変化が必要なのではないかと思うのです。

裏を返せば、宣言の期間だけが延長されても、福岡市がこれまでと同じ対応に終始するのであれば、自治体の果たす役割を十分に果たしているとは言えません。ワクチンを早く行き渡らせることはもちろん至上命題ですが、目下の緊急事態を早期に終結させることは、それと同じくらいに重要な課題だと思います。