このブログを読んで下さっている皆さまの誰一人にも伝わらないかもしれない問題意識について、今日は書きたいと思います。
地下鉄七隈線の博多駅までの延伸は、平成28年の陥没事故で大穴が開いたことにより大幅な遅れが生じています。
こうした中にあって、今日、込み入った案件に取り組んでいる途中に何度も携帯が鳴り、3件溜まった同じ番号からの留守電を聞くと交通局から「七隈線の駅の名称がどうの」と連絡が入っていて、4度目の電話を無理に取って話を聞くも、よく意味がわからなかったのですが、夕方にネットニュースを見たら市長さんが天神南駅と博多駅の中間の駅の名前が「櫛田神社前駅」になると、いつものフリップで発表しておられました。
駅の名称については、異論はありません。
ただ、議会人としては発表に至る経緯に大いに問題があると思うので、指摘をしておこうと思います。
高島市長がかつて大博通りにロープウェイを作ると言い出したとき、議会はそれを阻止しました。その議論の際に私は、過去の福岡市の公共交通整備の進め方を振り返る必要があると考え、地下鉄整備の歴史を調査しました。
そのときに確認できたのは、地下鉄空港線、貝塚線、七隈線のいずれについても、駅の場所、車両基地の場所、そして駅の名称を、現在の交通対策特別委員会が議論をし、決定したということでした。
つまり、市民の代表である議会が決めた場所に、現在の地下鉄の駅があり、議会が決めた駅の名称が使われているということです。
私は過去6年間、交通対策特別委員会に所属をしており、現在は副委員長を務めていますが、今日の発表の内容をニュースで理解するまで、中間駅の名称は知りませんでした。どんな経緯で決まったのかについては、今現在はわかりません。ただ、少なくとも市民の代表である議会が決めていないことだけは間違いありません。
福岡市の地下鉄には既に35の駅があり、繰り返しますが駅の場所、車両基地の場所、駅の名称、いずれも市民の代表である議会が決めました。もっと言うならば、そもそも地下鉄を造ること自体も、七隈線を博多駅まで延伸することも、議会が決めました。なのに36個目の駅の名称は議会が知らないうちに決まった。
問題意識は伝わりにくいと思いますが、私は福岡市政の先人たちの叡智と、議会制民主主義の歴史を重んじる、保守的な立場で仕事をしていて、こうした物の考え方を一定支持して下さる方々がいらっしゃるがゆえに、議員を10年務めることができていると思っています。
高島市長による市政の、例えようもない軽さが悲しくて仕方ありません。もちろん、支持すべき点はあります。ただ、ロープウェイを巡る論戦で、「交通対策特別委員会での議論をすっ飛ばして、公共交通のことを決めてはいけませんよ」とあれだけ議会が言ったのに、市長が全く理解しておられないのではないかと危惧したので、そのことを今日は敢えて指摘しています。
櫛田神社前駅という名称を、事前に交特委に相談してくれていたら、恐らく追認したでしょうし、私もこんな投稿をする必要もありませんでした。
多くの市民の皆さまには伝わりにくいという意味で、ニッチな問題意識なのかも知れませんが、こういう指摘も議員の仕事のうちだと思っています。