毎日新聞が31日夜、任期満了が迫る衆院の総選挙と、選挙戦が確実となった自民党総裁選に関係して、驚くべき速報をしました。
https://mainichi.jp/articles/20210831/k00/00m/010/347000c
記事へのリンクが切れるかもしれませんので、ネットニュースの見出しの写真も以下に掲載します。
記事によると、菅首相は9月中旬に臨時国会を招集して衆院を解散し、17日告示、29日投開票の日程で行われる自民党総裁選の先送りを模索しているとのこと。衆院総選挙については「10月5日公示、17日投票とする案を検討している」と。
8月31日の朝刊では、確認できただけでも読売新聞、朝日新聞、西日本新聞が、「解散せず任期満了選挙」「10月5日公示、17日投開票」という選択肢を首相周辺が模索している旨を報じていました。
自民党総裁選の日程も既に決まっています。読売や朝日などが報道した内容は、「自民党は新しい総裁のもとで衆院総選挙を戦う」「任期満了選挙を選択することで、衆議院議員の失職による政治空白(=解散総選挙のデメリット)が避けられる」と想定すれば必然的に導かれるもので、私は記事を読みながら「これしかないよなあ」と納得していました。
ところが、31日夜になって冒頭の速報記事です。驚きのあまり、思わず変な声が出そうになりました。
この報道に触れたとき、多くの国民は、「首相は自民党総裁選での再選がおぼつかないから、衆院を解散して総裁選を先送りする気なんだ」という印象を持つでしょう。それは即ち「権力の座への固執」と受け止められ、ただでさえコロナ対応に怒りや不満を募らせている国民世論の厳しい糾弾に遭うことは避けられないと思います。
私自身も自民党の地方組織に属する議員として、「任期満了にせよ、解散にせよ、衆院選の日程は変わらない(いずれも10月5日告示、17日投開票が軸とのこと)」「それにも関わらず、なぜ解散を選択したのか」ということを、有権者にどのように説明したらよいのか、イメージが全く湧きません。つまり、「解散の大義」が説明できないということです。これはあまりに辛い。
そもそも、衆議院の残り任期が数えるほどになった今となっては、首相が大義をもって解散権を行使することそのものが、事実上できなくなっていると思います。
毎日新聞の速報を受けて、1日の朝からまた、様々な動きがあることでしょう。政局になっている以上、様々の綱引きがあることはやむを得ないと思いますが、願わくば「コロナ禍の日本をこれからどう導いていくのか」という政策論を中心に据えて権力闘争をやって頂きたいものです。
他方で、仮に自民党が総裁を入れ替えることになったとしても、それをもって総選挙が戦えるなどという単純な話にはならないような気がします。いよいよ腹をくくらなければなりません。