菅首相の退陣表明から一気に世の中を席巻した総裁選狂想曲は最後まで冷めることを知らず、明日の投開票を迎えることになりました。
自民党員や国会議員を全て足し合わせても110万人強。本来ならこの総裁選は、我が国の人口の100人に1人、わずか1%にも満たない「限られた有権者」による党の顔選びに過ぎなかったはずなのですが、ここまで幅広い関心事になったことが今の世相を物語っているように感じます。
我が国では幸いなことに戦後と呼ばれる平和な時代が76年も続いてきました。そして目下のコロナ禍は多くの国民にとって初めて経験する非常時です。だからこそこの総裁選(=事実上の首班指名)の行方を、初めて自分にも関係のある政治イベントと捉えている人が決して少なくはないはずです。いまは各階各層、老若男女全ての個々人がそれぞれに大変な、或いは不自由な思いをしていて、政治に対する不満も、裏返しの期待もかつてなく大きいはずですから。
明日選出される自民党総裁、つまりは第100代の内閣総理大臣が誰であるにしろ、党員党友、所属国会議員だけではなくすべての国民の暮らしを慮(おもんばか)る政治を心がけてほしいと思います。
またぞろ「そんなん、当たり前やんか」ということを書いています。でも今回の総裁選では各候補者の好意的な人物評や政策評よりも「彼は、彼女はここがダメだ」というネガティブな情報発信の方がよっぽど目についた気がします。こうした厳しい戦いを制した暁には最後まで自分を支えてくれた人に喜ばれたいと考えるのが人の世の常でしょうし、私自身も一方ではそうした俗人的な世界の住人です。でもそれではいけないのが今の世の中というもの。
激戦だったがゆえに、肝心の初動で政策や人事に妙な偏りが出はしないかということが危惧されますという、今日はそんな不安について書いています。
願わくば全ての国民とともにある国民政党・自由民主党らしく、総裁選が終わったら何事もなかったかのようにビシっとまとまって、コロナ時代の日本再生、そして国民生活の再建に向けて挙党一致で邁進して頂きたい。それが地方党員としての唯一の願いです。
ところで。私の党員票の行方について親しい友人から「誰に入れたと?」と尋ねられました。親しい仲なので「愚問だよ」と答えたのですが、冗談が通じずに友達を失くしていないかと後になって心配になりました。
明日、ガラケーから釈明のショートメールを送ろうかと思います。