この2日間、メディアから立て続けに旧統一協会との関係を尋ねるアンケートが送られてきました。私個人としては、昨今話題になっているような教団や関係団体の行事への参加等について、「ない」と回答しました。しかしながら、昨今の報道を見ていて、いかに旧統一協会や関係団体が日本の社会に溶け込んでいたのかを認識させられ、脅威を感じています。

一番肝を冷やしたのは対馬を経由して日本と韓国を海底トンネルで結ぶ「日韓トンネル」構想のルーツが、統一協会だったということ。これについては、福岡だけではなく様々な自治体で、政財界の著名人、学識経験者などが、実現に向けたシンポジウムなどの会合の呼びかけ人になったり、推進する立場で講演していることを、今回の事件以前から認識していました。

元より私はこの構想自体に賛同していなかったので参加を検討すらしたこともありませんが、教団と関係があったと知ったのはつい最近のことで、恐らく日韓トンネル関連の催しに参加したことがある多くの方々も同じなのではないかと思います。

メディアは今回の事件以前から旧統一協会が絡む霊感商法の被害などを報じ、また昨今は政治家と旧統一協会の関係を必死で探っています。これらメディアのいくつかも、日韓トンネルを推進するイベントの模様を取材し、好意的な内容で報道していたくらいですから、つまりはみんなで騙されていたということだと思います。

このことからも明らかなように、政治も、経済界もメディアも、カルト宗教がその正体を隠して日本中に根を張りめぐらせている現状、さらには教団や関係団体の催しに賛同することで社会的な信用が高まり、新たな被害者を生むことにつながりかねなかったことに対して、お粗末なくらいに無知、或いは無自覚だったと思います。

きつく自戒するとともに、反社会的な団体とは関係を持たないことについて、改めて細心の注意を払っていかなければと感じているところです。

ところで、宗教法人に対しては裁判所が解散命令を出すことができるそうです。過去には地下鉄サリン事件などの無差別殺人事件を起こしたオウム真理教など2つの団体が、宗教法人法81条の規定により解散させられています。恥ずかしいのですが、私はこのことも最近まで認識できていませんでした。

政府は来月9月の1ヶ月間を、旧統一協会の被害に関する集中相談月間とすることを公表しています。徹底的に被害を洗い出し、教団の実態を国民の前に明らかにし、仮に組織ぐるみの違法行為や犯罪行為が立証されれば躊躇なく解散命令を求めるべきだと思います。

昨今、熱を帯びている旧統一協会との「関係探し」報道の裏側にあるのは、反社会的なカルト宗教と知りながら旧統一協会と付き合いを続けてきた政治家に対する強い批判だと思いますが、ここは率直に前非を悔いて、今後の関係をきっぱりと断つことが必要です。その上で、国会には一日も早く、類似の事案が再び起きないような法整備や、被害者救済についての本格的な議論に取りかかってほしいと思います。